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市川泰憲(写真技術研究家、日本カメラ博物館)

  市川 泰憲(いちかわ やすのり)
1947年東京生まれ。中学・高校・大学と写真部に所属。1970年東海大学工学部光学工学科卒業。同年写真工業出版社入社、月刊「写真工業」編集長を経て、2009年より日本カメラ博物館に勤務しながら幅広い写真活動を続ける。日本写真協会会員。

■ブログ「写真にこだわる」開設しました
http://d.hatena.ne.jp/ilovephoto/

第三回「LEICA X1を使ってみた」
【ライカX1】電源をONしているので沈胴式レンズが繰り出されている。OFFすると約15丱譽鵐裟菽爾引っ込む。レンズは、フォーカシングしてもレンズ全長の変わらない内部焦点方式が採用されているので動作はクイックだ
 ライカカメラ社からAPS-CサイズのCMOSセンサーを搭載したコンパクトカメラ「ライカX1」が発売された。発表は2009年9月、発売は2010年1月を予定、うまくいけば2009年末にとされていたが、暮れも押し迫ったにギリギリに発売となったからおみごとである。
  さてこのX1は、コンパクトデジタルカメラであるのに、すばらしくライカ的である。何がということになるが、まずカメラの梱包寸法が従来からのMシリーズの箱と大きさとほとんど変わらないことだ。ただ開梱の仕方は今までと異なり、上蓋を開けるような感じで開き、マグネットでロックされた蓋を外すとそのままの状態で前後と左右に倒れ、その中に3段重ねの箱が出てくる。一番上は、今まで同様のブルーグレイのカメラが入った箱だが、下2段は取っ手の付いた引き出しになっており、一番下には、ストラップ、バッテリー、充電器、USBケーブルなどアクセサリーが、下から2段目には取扱説明書、保証書など入っている。これ何だ?と少し考えてしまったが、そう、ちょうど風呂敷を開くと中から三段重ねのお重がでてくるといった感じである。そういう意味ではX1に関しては、きわめて日本古来の梱包方式だといえるかもしれない。
  そんなことどうでもいいではないかといわれれば、それまでだが、実際X1の梱包を手渡されたときにはその大きさもさることながら、重さにもびっくりする。2,250gもあるのだ。これから、カメラ本体とバッテリー、レンズキャップの340gを除くと、約1,910gも周辺アクセサリーということになるが、一番重いのは取扱説明書だ。この豪華さ、重量をどう考えるかはそれぞれで、価格に見合うものと考えるのが一番いいかもしれない。



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