検索ヘルプ

カメラの本はこちらへ
こんなカメラもある!クラシックカメラ探検隊
カメラの修理・メンテ情報
ムービーカメラ入門
カメラの面白い使い方
大好評メディアジョイカメラグッズ
カメラに関する話題はこちらでどうぞ
MJカメラトップ ご注文から商品発送までの手順について メディアジョイへのお問い合わせ mediajoyについて 送料について メディアジョイの出版物の情報 サイトマップ 求人・採用情報
 
   



第30回(最終回)
第29回
第28回
第27回
第26回
第25回
第24回
第23回
第22回
第21回
第20回
第19回
第18回
第17回
第16回

第15回
第14回
第13回
第12回
第11回
第10回
第9回
第8回
第7回
第6回
第5回
第4回
第3回
第2回
第1回
 
コラムを読まれた皆様からの感想やコラムで取り上げてほしい話題等はメディアジョイ
mediajoy@mediajoy.co.jp
までドウゾ!

ニッコールレンズの最初の発見者は、朝鮮戦争へライフの取材で赴く前のカメラマン、DDダンカン氏ということになっています。
これはすでに神話化されていまして、1950年代のある日、日本の通信社のカメラマンさんが持っていたニッカに付いていたゾナーのコピーレンズである、ニッコール85ミリのレンズの性能に驚愕したダンカンさんなわけですが、皮肉なのはその解像力を賞賛したダンカン氏も、ニッコールレンズを装着したニコンSを取材に持参する「勇気」はなかったようで、その代わりにライカ3Fを東京で何台か購入して、そのボデイにライカマウントのニッコールレンズを付けて取材に赴きました。

当時のニッコールはすでに国際的に実力発揮でしたが、そのボデイの方は評価されるまでに少しの時間が必要だったということでしょう。
その意味で日本光学工業株式会社のニッコールレンズを他のカメラメーカーが採用して、自社のボデイのステータスを挙げようというもう一つの動きがありました。
今回、岡山の「チョートク固執堂」へ取材に行った時に、市内のカメラ店で購入したのがアイレスフレックスでした。
普及版の二眼レフですが、魅力なのはそのシンプルなボデイにニッコールレンズの付いていることです。

ニッコールを付けたサードパーテイ製カメラで有名なのは、ライカマウントのニッコールを採用したニッカのライカコピーカメラ。これにはニッカの交換レンズとして採用された一連のライカマウントニッコールレンズ群で、25,28、35,50,85,135ミリのラインナップが揃っていました。
中判カメラで有名なのはゼンザブロニカDで、国産最初のレンズ交換式高級6X6判一眼レフは各種のニッコール交換レンズを擁していました。
これなども1960年代初頭には国産レンズの中で「唯一信頼できるレンズブランド」がニッコールレンズであったことが分かります。

さてニッコールレンズを標準レンズとして装着しているカメラはあまり多くはありません。その内のひとつは、マーシャルプレスです。これは最初から営業写真館用にマミヤが別会社を興して売り出した軽量な中版カメラで集合写真を撮影するというコンセプトで製作されたカメラ。ニッコール105ミリが標準レンズで、他には135ミリと150ミリ相当のコンバージョンレンズが用意されていました。
このマーシャルプレスは60年代後半のカメラですが、その前、50年代に登場していたのが今回、岡山のカメラ屋さんで購入したアイレスフレックスです。
アイレスフレックスにはレンズは2種類あって、ひとつはアイレスブランドのコーラルで、もう一つが「サードパーテイ製」のニッコール付きというわけです。
通常はサードパーテイ製となると「普及版」という商品展開が多いわけですが、アイレスフレックスのニッコール付きというのは、あまり数がないのでこれは人気二眼レフでした。

もっともアイレスフレックス自体は、セルフコッキングにもなっていないし、パララックスの補正もされていない、ちょうどローライのシリーズで言えば、ローライコードのような普及機なのですが、そういう普及機に高級優秀レンズの代名詞でもあった、「天下のニッコール」が付いているのが魅力ですね。
購入したボデイはかなりくたびれていましたが、藍色のハードコーテイッドレンズが空の色を映しており、これはいにしえの東京の空の色でした。


メディアジョイトップへ Copyright by1996-2016(C)mediajoy All Rights Reserved.