■第三ゾーン 現代科学と文化遺産
■ 修羅 ■
遺跡から出土する木製品や鉄製品は、科学的な保存処理を施すことによって、はじめて、永久保存することができる。普通、日本の遺跡から出土する木製品は多二に水を含み豆腐のようにプヨブヨの状態である。それをそのまま放置するとヒビ割れや変形を起こし、ついにはバラバラになり、朽ち果てる。
1978年に古市古墳群の三ツ塚古墳から出土した修羅とテコ棒も、同じような状態で出土した。それを最先端の保存科学の方法で、14年の歳月をかけて保存処理した結果、本館で展示することが可能となった。
ここでは、同時に出土した大修羅とテコ棒の実物を前に、そしてふりかえった後ろに小修羅のレプリ力を展示している。大修羅は長さ8.8m、重さ約3.2tの大きなもので、二股に分れたア力ガシの一木を用いてつくられる。その奥には大修羅の底が観察できるようにレプリカをはりつけた。手前にあるテコ棒は長さが6.2mあり、径0.15mの丸い棒で、材質は大修羅と同じアカガシである。後ろにある小修羅は小修羅と言えど、修羅としては標準的な大きさで長さ2.8mである。木の表皮がよく残っており、クヌギの二股の木をそのまま用いているのがよくわかる。
古墳時代の人々はこのようなソリで石のような重量物を運搬した。そして、今日、私たちが修羅に触れることができるのも、1500年程地中に保存されていたことと、地表に現われ、現代科学が朽ち果てることを止めたことによる。
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